現実アクションゲーム
「仕方ねぇ……行こう」


歩き出す蓮。


「え、直樹君はどうするの?」


「どうするのって……小屋が無いなら、どうしようもねぇよ」


「何で無くなったの……」


「俺に聞くなよ。わかるわけねぇだろ」


「……」


二葉は未だ、呆然としている。


進む様子の無い二葉に、蓮が声を掛けた。


「なぁ、二葉。ここはゲームの世界だ。何があっても不思議はねぇ」


「蓮君……」


「さっきの小屋の中だって、ありえねぇだろ。エンドレスルームなんて……」


「そうだけど……」


「消えちまった以上、諦めるしかねぇよ」


「……」


納得のいかない様子だったが、二葉も理解してくれたようだ。


「行こう」


蓮が歩き出すと、二葉が続いた。


どうやら、本当の本当にゲームの中のようだ。


もう、疑えない……


むしろ、ここがゲームの中じゃない方が変だ。


それなら、絶対クリアしてやる……人の命を何だと思ってやがる。


少し進むと、遠くの方に城が見える。おそらく、ボスでもいるんだろう。


しかしあそこに行くには、一本の長い吊り橋を渡らなければならなかった。
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