現実アクションゲーム
「じゃあ、何で二人必要だったんだよ。お前一人でも、行けたんじゃねぇのかよ。俺の数倍強いじゃねぇか」


「お前と一緒じゃないと、サメが倒せなかった」


「どういう意味だよ?」


「スクロークで全ての道に正解。一瞬でサメのパターンを把握。お前を操作しているプレイヤーは、攻略本を持っている可能性が高い」


その拓馬の言葉が、理解できなかった。


「操作って……何の話だよ?」


なぜか、言葉が震えた。


なんとなく、その言葉の意味の察しがつく。だが……


いや、そんなはずはない。


俺は、俺の意志でここまできた。


「理解しろ。ゲームの中だぞ。誰かがプレイしないと、動かない」


「は?じゃあ何か、俺が誰かに操作されてんのかよ!」


声が大きくなる蓮。


「ああ」


「……何でそんなに軽い返事なんだよ!お前も操作されてんのか!」


「ああ」


苛立ってきた。なんでコイツ、こんなに冷静なんだ……


「ふざけんな!おもちゃじゃねぇんだぞ、俺は!」


「おもちゃなんだよ!」


突然拓馬が声を張り上げた。驚き、口を閉じる蓮。
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