現実アクションゲーム
プレイヤー
水が完全に抜け切ると、天井が音を立てて開いた。


サメは突然消え去り、急に気球が現れる。だんだん慣れてきたのか、その状況にあまり驚かなくなった。


拓馬はそこにゆっくりと乗ると、蓮を手招きで呼んだ。


「よし。このまま、一気に城まで行くぞ」


気球に乗り込む蓮。中は二人が乗ると満員といった感じの大きさだった。


「それより拓馬、聞きたいことが山ほどあるんだけど」


「何だ?」


「何だじゃねぇよ。お前、ハズレの道に行ったんじゃねぇのかよ」


「あぁ、行った」


無愛想に答え、バルーンに空気を送る拓馬。


「は?行ったんだろ?なんで、生きてんだよ?」


「その様子じゃ、やっぱりお前は全部正解ルートか」


「質問に答えろよ」


「ん?言ってなかったか?」


「何を?」


「不正解の道に行ったからと言って、別に死ぬわけじゃない。大量の敵に囲まれるだけだ。切り抜ければ、問題ない」


それを聞いて、全身から力が抜ける蓮。


「お前……それ、もっと早く言えよ。こっちゃ死ぬ思いでここまできたんだよ!」


「悪かった」


「……」


素直に謝られると、返す言葉がない。口をモゴモゴさせる蓮。
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