妖怪愛物語




「え・・・ちょっと待ってください、」


「なんじゃ?」


「じゃあ私は狐さんと桜さんの子孫ってことなんですか?」


恋人、といっていた。妖怪と人間で子を生すことができるのかどうかはわからないけど、話の道筋的にいうとそうなる。


「いいや、違う」


「え・・・じゃあ」


「お前は桜と影月の子孫なんじゃ・・・」


え・・・!?

何で、影月と桜さんが・・・!?


「昔はね、影月は人間だったのさ」


「そうじゃ。影月は人間で、桜の許婚じゃった。しかし桜は結婚を拒んだ。もうわしと恋仲じゃった。影月は桜のことを愛していたからわしに対する憎しみ、悲しみ、裏切りで罪を重ねるうち、妖怪になってしまい、神の罰として6人目の神となった・・・全部、わしのせいなんじゃ・・・・」


「なにいってんだい。アンタが悪いわけじゃないよ。自分の気持ちを制御できなかった弱い影月が悪いのさ・・・・」


「じゃあ、なんで狐さんと恋仲だった桜さんは影月に・・・?」


「影月は日を追うごとにおかしくなって、ついには無理やり子を生した。生まなければわしを殺すと言って・・・」


じゃあ、桜さんは狐さんを守るために子を産んだ・・・。きっと、産まれた子は退治屋の血が濃かったのだろう。


そうでもなければ血は絶たれていた。


そして桜さんは子を産んだが、影月の嫉妬の念は止まず、約束など無にして狐さんを殺そうとしたのだろう。きっと・・・。







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