妖怪愛物語
「でもさ、妖怪は私にとっては邪魔な存在なんかじゃなくて。仲間であって、友達であって、大切な家族だから、どうしても見えることを隠せなかった」
「・・・・すごい。私なんか、周りの目ばっかり気にして、妖怪としゃべったことなんてまったく無かった。初めてしゃべったのはふと漏らしてしまった一言からで。本当、桜さんはすごい」
周りの目じゃなくて、自分の気持ち。
それを一番に考えることができるって、本当にすごいと思う。
私は臆病で、ひとりになるのが嫌だったから、ずっとごまかして生きてきた。
退治屋なんて、とか思ってた自分が本当に馬鹿みたい。すっごく大切な、そう。仲間を守るための仕事なのに。
「でも、今は桜も隠さず生きてるんでしょ?」
私はもう、世界には存在しない妖怪と人間の間の存在になったから。
「なら、それでいいんじゃない?昔変わろうが、今変わろうが、自分が変わったっていうのは事実なんだからさ」
桜さんは、わたしと年は近いけれど、どこか考えが大人びている。
そんな桜さんがとてもかっこよく見えた。