99通目のラブレター
ある日の練習試合の日、天気予報は雨やった。
せやけど、試合の時間になっても雨は降ることもなくて、そのまま試合開始のホイッスルが鳴った。
でも神様ってのはそんなに甘なくて、後半戦の途中で大粒の雨がざあざあと音を立ててグラウンドを打ち付けた。
試合はあと1分を切ってて、その時の得点は同点で、俺はどうしてもあと1点が欲しくて必死やったんや。
雨のせいでグラウンドの状態も視界も悪くて、状況は最悪やった。
突っ込んでくるディフェンダーを交わそうとしとった時やった。
ボールと相手の足に絡まった俺の足が、妙な音を立てて力が抜けていくのがわかった。