科学部恋愛
「莉世の顔が見たくてーって…言うのは口実なんだけど」
昔と変わらない矢野の雰囲気。
口調、しぐさ。
亜樹はきっと初めて見るだろう。
矢野の姿を興味深々に見ていた。
「あれ、この男の子は後輩?」
「亜樹って言うの」
「永崎亜樹っす、よろしくお願いします」
さすが2こ上の先輩には
礼儀が正しい……
矢野はワハハと笑いながら
机の上に胡座をかいた。
「矢野、引退したのに何か用事?」
「冷たいなぁ莉世は…凛ちゃんもそう思わない?」
「私は…えっと…」
あたしの話を真面目に
聞こうともしない矢野。
だからイライラするんだよ…