科学部恋愛





「莉世の顔が見たくてーって…言うのは口実なんだけど」




昔と変わらない矢野の雰囲気。

口調、しぐさ。




亜樹はきっと初めて見るだろう。

矢野の姿を興味深々に見ていた。




「あれ、この男の子は後輩?」




「亜樹って言うの」




「永崎亜樹っす、よろしくお願いします」




さすが2こ上の先輩には

礼儀が正しい……




矢野はワハハと笑いながら

机の上に胡座をかいた。




「矢野、引退したのに何か用事?」




「冷たいなぁ莉世は…凛ちゃんもそう思わない?」




「私は…えっと…」




あたしの話を真面目に

聞こうともしない矢野。

だからイライラするんだよ…




< 21 / 28 >

この作品をシェア

pagetop