科学部恋愛
初めはこんな性格を好き
になったあたしだけど、
それは間違いだったのかも。
「まーいいや。今日はね郁斗に用事あんだよねー」
「俺にっすか?」
「うんうん、美代いんじゃん?」
美代先輩とは、矢野と同じ
同級生で元科学部だった人。
良い先輩だったから、
よく印象は覚えてるけど…
「美代が郁斗に話があるらしーのよ、聞いてやってくんない?体育館裏にいるからさ」
体育館裏?何でまたそんな…
郁斗は不思議な表情を見せる
わけでもなく、平然とした
顔色一つ変えない状態で
コクンと頷くだけだった。
「ねぇ矢野?」
「莉世は何でもないからさ、気にすんな」
何さ、矢野のバカ……
あたしだってちょっとくらい
気になるもん。