科学部恋愛
すると廊下から足音が聞こえて
教室に入ったあたしは
扉の方へと視線をずらした。
「あれ?森永先輩じゃないっすかぁ」
あたしと目が合うと、
そう言って教室に入ってきた…
後輩の永崎亜樹(ながさき あき)
後輩の部員はこの男子生徒だけ。
スクールバックを片手に持って
そのカバンを適当な机に
放り投げた。
「亜樹が今日当番じゃないの?」
「当番?何のっすか?」
「カギの開け閉め当番」
初めて聞いたかのような
亜樹の表情に、一瞬不快に思った。
ついこの前ミーティングで
話したばっかりじゃん…。