科学部恋愛
…と、ため息を付こうとした時。
「そうだとしても、今日は森永先輩の番じゃないっすか?」
「…へっ?」
つい自然に漏れてしまった
声に慌てて口を塞いだ。
亜樹は教室を見渡すと、
何かを見つけたように
教室の壁を指差した。
そこに白い紙が貼ってある。
よく見てみると、
曜日ごとに当番が変わる仕組み
になってあって、
亜樹の案の定…今日があたしの
番だった。
「おいおい、しっかりしてくださいよ部長~」
呆れたような口調に
ムッとしたけど、
何も言い返せなかった。
だってあたしの間違いだったし、
ここの――…
………科学部の部長はあたし。