赤の世界
嫌いな束縛をされても
シオリと関係があるのは
サラサラと揺れる
あの髪を見たいから。
俺にはいまいち
人を好きになるという気持ちが
どんなものか分からない。
アユミに読まされた
泣くという恋愛マンガも
何も理解できなかった。
それでもシオリの髪は
“好き”なのかもしれない。
見ると自然に手が伸びた。
今も思い出すだけで
あの髪に触れたいと思う。
だけど、どうにも面倒くさい。
「あー…怠い…」
「どーした??」
今まで一緒に喋っていた景が
携帯を閉じた俺に問いかける。