赤の世界
それを見て気付いた。
(君が夢の主?)
高1の冬からずっと
僕の中に現れて
幸福感を残して――
優しい朝をくれる
(それは君なんだね?)
彼女は答えなかった。
ただ空を眺めていた。
(君は楓じゃないの?)
彼女は答えなかった。
(君は誰なの?)
彼女は答えなかった。
(どうして雪はやんだの?)
彼女は答えずに俯いた。
そして何も答えない代わりに
ゆっくりこちらを向く。
視界は霞まなかった。