赤の世界
 
そうして俺はやっと
彼女の顔を見ることが出来た。


長い睫毛に囲まれた
零れそうなほどに大きな瞳は

ガラス細工みたいに綺麗で
やっぱり楓の目と似ている。

だけど少し幼くて
無垢で優しい温かさがあった。

肌は陶器のように滑らかで
小さな唇が愛らしくて

何より美しい絹のような髪が
優しげな雰囲気に似合っている。





なんて美しいんだろう。





キラキラと輝く彼女は
まるで遠い遠い存在のように

呼吸を忘れるほど綺麗で
だけど何故か懐かしかった。





そう、懐かしい。

目が合うだけで
胸がいっぱいになる感覚。

胸の中が熱く焦げて
焼け焦げてしまうような――

赤く赤く爛れるほどに
愛しいという感情。





ずっとずっと前から
彼女を知っていた気がする。

彼女のために生きて
彼女のために死にたい――

そんな夢を願って
生きてきたような気がする。


 
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