赤の世界
ズキン。
ズキン。
ズキン。
目を覚ますと
酷い頭痛が俺を襲う。
だけど俺は頭も抱えず
ただ涙の海に溺れていた。
涙はとても冷たくて
伝う頬を凍らせるように痛い。
夢の中の彼女が
愛しくて仕方なかった。
彼女といつか
あの場所で朝日を見たんだ。
なのに俺はそれを忘れて
爛れるような愛も忘れて
心が砂のように飢えて
普通に生きれなくなって
(どうして。)
彼女の顔をはっきりと見ても
名前さえ思い出せない。
どこで出会ったのかも
どれだけ一緒にいたのかも
何も思い出せない。
どうして彼女は
夢に出てくるのだろう。
どうして彼女は
夢でしか会えないのだろう。
いつか朝日を見たのなら
彼女は現実いるはずなのに。
(どこにいるの。)