貴方しか愛せない





泣いたら先生が困るって分かっていたけど涙が止まらなかった




携帯を持っていない手で必死で涙を拭った








「――……ごめん…
俺じゃ…もう無理だから…っ」


「…な…何が…??」






漸く喋ってくれた先生の言葉が嬉しかったけど、なんだかとても、弱々しくてこんな弱々しい先生の声聞いた事がなかった







「俺じゃ…
お前を…お前を…
幸せにできない…っ」


「…せ…先生…」


「月曜日から教師と生徒だ…
今までの事は忘れろ…」


「……ない
忘れられないよ…っ」


「あと…もう…
“要ちゃん”って呼ぶな…
ちゃんと、“杉村先生”って呼べ…」


「…どうして…っ
私…幸せだ…」


「それから…
アドレスも削除な…」


「…待って…」


「じゃあな…
“城島”…また学校で…」







要ちゃんは一方的に話をつけてから電話を切った





急いで電話をかけなおしたけど、携帯の電源を切られてしまっていて連絡がつかなかった…






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