君に繋ぐ虹
雨上がりの世界
ぽてぽてと、雨の余韻を残す河川敷を私は一人で歩いていた。

雨上がりの空に浮かんだ虹を探しに来たのだ。
さっきまで私は暖房の効いた暖かい部屋で、お気に入りのCDを聞きながら大好きなケーキを食べていたのに今はこんな寒い所にいる。
ただでさえ、季節は11月で場所は川風吹き荒む河川敷。
自分でも何故こくな所に居るのだろうと今更になって思うのだけれど。

小さい頃に何かの絵本で読んだのをふと思い出したから。

「気になっちゃったんだよね・・・」


雨上がりの虹の下の地面には『宝物』が埋まっている。


それが頭に浮かんだ瞬間に、大急ぎでケーキを口に放り込みながら私はコートを羽織って自転車にまたがり、隣町のこの河川敷に来ていた。
虹が掛かる方向はこの河川敷の何処か果て。
何故か、そう思って。





< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop