魅惑のヴァンパイア
うろこで覆われていて、まるで魚のようだった。


病気や怪我では決してこんな状態にはならないだろう。


丸いガラスのような瞳の中に光る、一本の筋のような眼光。


人間の身体の部分は全く濡れていないのに、ウロコがヌメっとした湿り気を含んでいて気味が悪い。


ここにいる人達は人間じゃないのかもしれない。


いや、まさかそんなこと。


でも……。


頭がこんがらがってきた。


夢を見ているにしては、感覚がリアルすぎる。


どうして? なんで?


お父さん、お母さん、どうして私の近くにいないの?


全身が震えて、泣きそうになる。


でも泣いたらこれが現実だって認めることになりそうで、必死で堪えた。


夢なら、早く目覚めて。





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