魅惑のヴァンパイア
どうやら私を買おうとしているのは、黄土色の顔をした、顎が何重もある、太った気持ち悪い怪物と、象の仮面を被った、人の姿をした子供に絞られたみたいだ。
「30000ダラス!」
顎が何重にも重なった怪物は、葉巻をくわえながら言った。
「35000ダラス!」
象の仮面を被った男の子も手を挙げて、負けじと叫ぶ。
両隣に座る両親らしき人が、ニコニコと男の子の頭を撫でていた。
どちらに買われても嫌だ。
太った怪物に買われたら、食べられてしまいそうな気がした。
やたら長くて大きな舌に、頬をベロリと舐められる自分の姿を想像して、背中がゾクっとなった。
男の子に買われても、オモチャにされて、死ぬまでボロボロにされて捨てられるのがオチな気がする……。