魅惑のヴァンパイア
必死になって抵抗していた、あの女の人の気持ちが、今では痛い程分かる。




「1ギレス」




突然、割って入った低い声。


決して大きな声を出したというわけではないのに、観客全員に聞こえるくらい重みのある、低い声だった。


シン、と辺りが静寂に包み込まれる。


……1ギレス?


万とか千とか言っている中で、たった1?


数字が余りに小さすぎて、皆呆れて静まり返ったのだと思った。



< 20 / 431 >

この作品をシェア

pagetop