魅惑のヴァンパイア
「まったく、恋人を失ったような気分だな」


 ピーターはヴラドの居場所を聞かれた時に冗談で言っていた言葉が、あながち冗談でもないような心持ちの自分に自嘲した。


気晴らしに、どの子と遊ぼうか選り好んでいると、扉付近がざわつき始めた。


上級貴族のいる場所ですら騒ぎ始めたので、人垣が出来ている所に目をやると、一際際立つ端整な顔立ちのヴァンパイアが面倒くさそうに人垣を掻き分け歩いていた。


「ヴラドっ!」


 思わず席から立ち上がりその名を呼んだ。
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