魅惑のヴァンパイア
「母さんは……身分が低いから、正妻に暗殺されたと聞いていた。
確かに王妃は暗殺計画を企んでいたらしい。だが、そんな必要なかったんだ。母さんは……人間だったんだ」


「……人間?」


 余りにも重大な禁忌に、背中に冷たい氷が入り込んできたようにゾクっと身震いした。


「なぜ王妃が、俺を忌み嫌うのか、その理由を知って分かったよ。俺は人間とヴァンパイアとの間に生まれた子供だったからだ」


ヴラドは自嘲の笑いをもらした。


「しかも、王が心の底から愛した女の子供だろ? どの王子よりもヴラドが可愛いに決まっている」


 ヴラドはピーターの言葉を否定しなかった。


自分でも分かっているのだろう。


「そして、闇の秘密結社の組織の素性の多くは、ヴァンパイアと人間の間に生まれた子供、もしくは死の呪いによって愛する者を失った者達なんだ」
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