魅惑のヴァンパイア
「1…ギレス……」


マイクを持った小男の額から、汗がツゥっと流れ落ちた。会場がざわめき始める。


「1ギレスだって?」


「正気か?そんな大金」


「誰だ、そんな冗談を言った奴は」


「払えるはずがないだろう」


観客のざわめき声で、ギレスという単位が、大金を意味していることだと知った。


「1ギレス」


ざわつく会場内で、再び重低音の声がした。


人さじ指をピンと挙げ、舞台を真っ直ぐに見つめる人物。


パッとスポットライトが彼に当たった。
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