魅惑のヴァンパイア
「全く、どうなっているんだ、あのお姫様は」


 ピーター様は背もたれに寄りかかり、ため息を吐かれました。


「妊婦ですから気が立っておられるのでしょう」


「だが、本音に聞こえたぞ、あれは」


 返す言葉が見つからず、黙ってしまいました。


 確かにあれは、シャオン様の本音でございます。


 シャオン様はご主人様に王になどなってほしくないのでございましょう。


「なんか、どっと疲れたよ。どうして僕が怒られる? 怒られるべき相手はヴラドだろう?」


 ぶつぶつ不満を言うピーター様を宥めながら、玄関までお連れしました。
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