魅惑のヴァンパイア

「さっきも言った通り、王妃がこのまま黙っているとは思えないんだ。ここにも刺客が来るかもしれない。だからこそ、ヴラドは君をここに残して置いたんだろう」


「分かっております。わたくしには奥の手があります。命に代えてもシャオン様を御守り致します」


「奥の手？」


「王族に仕える執事のみが使える禁忌の技。自らの命を引き換えに主人を守る時、神をも越える力が発揮できるのです」


　ピーター様は目を大きく見開きました。


「お前……ただ者じゃないとは思っていたが、そんなことができるのか。伝説で聞いたことはあったが……。だが、その技を使う時は最後の手段だ。
僕はこう見えて、お前を買っているんだ。失いたくない」