魅惑のヴァンパイア
真剣な眼差し。ぐっと胸が熱くなりました。


「もったいなきお言葉……。
ありがとうございます。

もちろん、わたくしもむざむざ自分の命を犠牲にはしたくありません。
できれば使いたくない技でございます。

それと、わたくしが側にいれない分、ご主人様のことを宜しくお願い致します」


「あいつは僕に守られなくても死なないさ。だが、王になるべき素質を持った人物だ。影ながら守り、応援するよ」


「ありがとうございます」


 ピーター様は風を操るのが上手い御方。


必ずやご主人様のお役に立つことでしょう。


 ピーター様はオレンジ色のマントを翻し、惚れ惚れするくらい上手に、風と共に消えていきました―――
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