魅惑のヴァンパイア
ヴラドの統率力、判断力は素晴らしく、内戦も自ら騎士として戦い、ものの見事に制圧した実績は、誰も文句のつけようがなかった。


一部では熱烈な支持者も短期間の内に作り、まさに王になるために生まれてきたような人物だと崇められ、


他の王子を差し置いて、あっと言う間に王になってしまった。


しかし、突然現れた隠し子が、王になってしまったことを快く思っている者は少なく、大部分の人々はヴラドに対してどう接していいか分からないというのが現状だった。


ひっそりと行われているとはいえ、新しい王誕生の儀式。


美しい踊り子達が舞い、酒は湯水のように出てくる。


脇一列に座った重臣を見下ろし、


宝石の散りばめられた椅子に座っているのは退屈としか表現できなかった。
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