魅惑のヴァンパイア
怒りに任せて、早口で怒鳴りつけた。


ヴラドは妙に冷静だった。


それが逆に気に食わなかった。


「バドがいる。今まで通り、何不自由しない生活が送れる」


「ヴラドは……ヴラドは……、何も分かってないっ!」


 涙が一気に零れそうになって、私は急いで部屋を出て階段を駆け上がった。


自分の部屋に入ると、鍵をかけ、椅子や机をドアの前に置いて、誰も入れないようにした。


 こんなことをしても、ヴァンパイアには無駄な抵抗だと分かっている。


 分かっているけど、私の拒絶の気持ちを示したかった。


 ベッドに倒れこんで、声を押し殺し泣いた。


涙が次から次へと流れ落ちた。
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