魅惑のヴァンパイア
「それだけじゃない。ヴラドが人間のハーフだってこともな。
あいつらは……王妃と、その息子達は、こうなる機会を窺っていたんだ。
わざとヴラドを王にして、ヴラドなき王宮を混乱と不安に陥れるために。

王妃が今まで大した動きも見せず、黙っていた理由が分かったよ。
ヴラドの能力と、秘密結社の力が合わされば、どんなに騒いだ所とて、潰される可能性がある。
ならばいっそヴラドを王に仕立て上げ、ヴラドなき今、全てを破壊するつもりなんだ。
ヴラドがやろうとしていたことも、こちら側の考えも全て見透かされていたということだ。

どんなに秘密結社が強くても、混乱した民を味方につけ、数を大幅に増やしたあいつらには勝てないからな。

ヴラドがいないんじゃ、なおさらだ」


「では……どうすれば?」


「こうなったらどうするもこうするもないさ。逃げるしかない。ヴラドが帰ってくるまで身を潜めて反撃の機会を窺うしか……」


「でしたら、ここにいた方が安全です。ここはご主人様が張らした強力な結界がありますし、ご主人様の知り合いしか場所を知りません」


「……エリザベスが寝返ったんだよ」


ピーターは苦々しく顔を歪ませた。
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