魅惑のヴァンパイア
見たこともないベッド。


見たこともない部屋。起き上がると、チリンと音がした。


首元を見ると、細い首輪の真ん中に、小さな桃色の鈴が付いていた。


「なんだろ、これ」


外そうにも、外れない。


無理に外そうとすると首が締め付けられて息ができなくなる。


「なんで、首輪なんか……」


今度は自分の着ている服にギョっとした。


真っ白いコットン素材のワンピース。


自分で着た覚えがないから、誰かに着せられたのだろう。


なんだか気持ち悪くて寒気がして、思わず両腕で身体を抱きしめた。
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