魅惑のヴァンパイア
寝室のドアの近くに置いてある、縦長の棚に触った。


黒褐色で、丸みを帯びた猫脚。


棚の上には小さな写真立てが置いてあった。


なぜかドキドキした。


見てはいけない物のような……。


少し埃の被った写真立てを拭くと、写っていたのは一匹のペルシャ猫だった。


真っ白いフワフワの毛並みと、少し赤みがかった勝気な瞳。


赤い瞳の色が、私の髪の色と似ている気がした。


そして目に留まったのは、猫がしていた首輪と桃色の鈴。


……一緒だ。


なんだか不思議な感覚で、写真に映る猫を見ていた。
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