魅惑のヴァンパイア
突然、ガチャリとドアが開く音がした。


「キャっ!」


開いたドアに驚いて、写真立てを落としてしまった。


静かな部屋に、ガラスが割れる音が響いた。


ドアから出てきたのは、蒼い瞳をした眉目秀麗な男性。


仮面を外したその顔は、非の打ち所がない程整っていた。


銀髪のサラサラな髪に、漆黒のマント。


立っている姿はとても大きくて、背の低い私は見上げないと顔が見えない。


――あの時の。


思わず頬が赤くなる。


夢じゃ、なかったんだ。


嬉しいような、恐いような複雑な気持ち。


蒼い瞳に見つめられると、魔法にかかったように身体が動かなくなる。
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