魅惑のヴァンパイア
「あ、あの……」 


ヴラドと呼ばれていたその人は、表情一つ変えずに、落ちた写真立てに目を移した。


怒られる! 


反射的にそう思った。


すると彼の瞳の色が、ほんのり紅く染まった。


ヴラドが写真立てを見つめると、写真立てが宙に浮いた。


「え?」


浮いている! 


まるでマジックを見ているようだった。


写真立てはふわふわと宙に浮いて、コトリと元の場所に戻った。


ひびの入ったガラスも、ヴラドが見つめると、スゥっと綺麗に元通りになった。
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