魅惑のヴァンパイア
「どうやってシャオン様から宝石を吐き出そうか、皆で悩んでいたのですよ。
なにせお腹にはお子様がおりますしね。
手荒なマネはできないなと思っていましたら、ゲン婆さんが逆さまにせいと言い出しまして」


「逆さま?」


「そうです。屈強な男共がシャオン様の足を持ち上げて、シャオン様を逆さまにしまして、ゲン婆さんが思いっきり拳でドンドンとシャオン様の背中を叩きだしまして」


 ラシードは笑いながら言った。


「ええ!?」


「それはやりすぎでしょうと言って止めようとした所、シャオン様の口からポロっと宝石が出てきました」


 ラシードは目を細めて、その時の状況を嬉しそうに語った。


どうりで、背中が痛いはずだ。


「私はいいんだけど、お腹の子は大丈夫かな?」


「大丈夫じゃ。ピンピンしとる。お主の子は、ちょっとやそっとじゃ死なんぞ。たくましい子じゃ」


 ゲン婆さんは、私のお腹を撫でて言った。


 良かった。


私も真似してお腹を撫でる。
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