魅惑のヴァンパイア
*  *  *


 ぐわんと世界が捻じれるように回ったと思ったら、次の瞬間には、目の前に沢山の顔が並んでいた。


「目覚めたぞ!」


「大丈夫ですか!?」


 心配そうに見下ろすラシードや結社の人々。


 まだ頭がぐわんぐわんと回っているような気がして、起き上がることはできなかった。


「ほ~れ、大丈夫だと言ったじゃろうに」


 ゲン婆さんが、腰に手を当てて得意そうに言った。


「まさか妊婦に、あのような対処法を施すとは。我々では怖くてとてもじゃないですけどできません」


 結社の人が嬉々として言った。


あのような対処法?


 私はゆっくりと上半身を起こすと、背中がひりひり痛むことに気が付いた。


「あの、背中が痛いんですが……」


ようやく言葉が話せる程度にまで、頭が正常に回ってきた。


すると、ラシードが嬉しそうに、私を魔界へ戻した方法について語り出した。
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