魅惑のヴァンパイア
*  *  *


「王宮内の動きはどうなっている?」


 暗く重々しい室内。


 明かりと音を遮断した狭い室内に大人の男が5、6人、黒木の大きな机を囲み真剣な顔で会議していた。


「現在第二皇子のビルクが皇位に就く模様です」


「ビルクか……。女と酒好きなあいつに王が務まるはずないだろう。魔界は終末目前だな」


 塔の最上階。


結社たちは、ラシードの部屋で今後の戦況を話し合っていた。


 しかし、いくら議論を重ねても、ヴラドがいなくなってしまった今、結社の未来どころか魔界そのものの未来すら暗雲たちこめ、一寸先さえ闇で包囲されてしまっていた。


「どうしたものか……」


 ラシードはがっくりと肩を落として、黒机に両手を置き、広げられた魔界の地図に目を落とした。


 溜息しか出てこない。
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