魅惑のヴァンパイア
「バド! 良かった!」


 ヴラドの胸から離れ、バドの胸に飛び込んだ。


「シャ、シャ、シャオン様っ!」


バドは途端に不機嫌になるヴラドの顔色を見て焦った。


「ち、ち、違いますご主人様!」


 バドは私を引き剥がそうとしたけれど、私はバドが生き返った嬉しさで、力強くぎゅっとバドを抱きしめた。


 なかなか離れようとしない私に、ヴラドの機嫌が悪くなっているなんて気付かないまま。


「おいシャオン、いい加減に……」


「うっ……」


 ヴラドが私の肩に触れると、私はズルリと力なく倒れこんだ。


「シャオン!?」


「シャオン様!?」


 ヴラドが私を抱え、青白くなっていく私の顔を覗きこんだ。


「いた……お腹…痛……」


「まさか……」


 ヴラドは大きくなった私のお腹を見つめ、私と同じくらい真っ青になった。


 苦しみ呻く私を抱え、ヴラドとバドは走り出した。
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