魅惑のヴァンパイア
―――…朝、目覚めると、シーツが冷たかった。


一糸纏わぬ姿で横になっている私。


隣には……誰もいない。


「っ……」


布団を手繰り寄せて、顔を埋めて泣いた。


どうしてこんなに、悲しいんだろう。


どうしてこんなに、寂しいんだろう。


私はあの人に、何を求めているの?


服を着て、しばらくすると、バドが朝食を持ってやって来た。


――また、同じ朝の始まり。


温かな湯気を立てている朝食を見つめながら、昨日の言葉を思い出した。


『明日も全く食べなかったら、無理矢理にでも口移しで食べさせるからな』


おいしそうな食事は、一度食べ物を通してしまったお腹には辛い。


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