魅惑のヴァンパイア
「シャオンっ!!」


バタンと音がして、ドアが大きく開いた。


長いお風呂タイムも終わり、部屋でぼーっとしていた私はとても驚いた。


思わず外を見て確認してしまう。


……まだ、薄暗い。


息切れしている。


急いで駆けつけてくれたのが分かって嬉しかった。


――例え、表情はとても怒っていても。


「ヴラド?」


机に置かれた、まだほんの少し温もりが残った夕食をちらりと見て、ヴラドはこれ見よがしに、大きなため息をついた。


「昨日、あれ程食べろと言ったのに」


「食べるなんて約束してないでしょ」


私はつんと横向いて言った。


……心の中では嬉しくて飛び跳ねていたのに。


何度も鳴るお腹と必死で戦ったかいがあった。


まだ夜にはなっていない。ヴラドが来てくれた!


――真夜中だけ会って、朝には消えてしまうなんて、そんな薄情な話なんてないじゃない?


ヴラドは呆れた顔をしながら、夕食を手に取って、スプーンを口に運んでくれた。


私は満足気に、ヴラドから与えられる食べ物を口に入れる。


はぁ……美味しい。
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