宇宙ネコ
【2】実験
中央のメーターの針は徐々に上がって行った。

そのメーター類の上には丸い窓が3つあり、その窓には実際の実験の様子が映し出されるらしい。

暫くしてメーターの針が真上を示すと、丸い窓に変化が現れた。
窓は靄に光を当てたかの様にぼんやりと光始め、徐々に光が増していった。
更にメーターの針は上がり続け、時計の2時の辺りまでになると丸い窓は激しい光を放っていた。

「そろそろ電子ブレインがみんな動き始めるよ
日めくりカレンダーみたいな数字がたくさん並んでるでしょ?」

「えぇ」

「一番左の今1になってるとこ、
これは、今1台の電子ブレインが働いてるんだ
見ててごらん」

三角博士がそう言った後にパタパタとその数字が増え始め、その数はすぐに100を越えてしまった。

「108になりましたね」

「うん
108個で1セットで、それが10セットあるんだ」

更にメーターは上がり続け、108になった隣の数字が動き始めた。
それも108になると更にその隣が動き始めていく。

「こうなると後は電子ブレイン達の頑張り次第なんだ
次は丸い窓を見ててごらん」

どうやらあの数字が全て108になるまで、メーターの針をを上げられるらしい。

「ん…?」

窓の様子が変わってきた。
激しく輝いていた窓に、極たまに黒い点が現れる様になった。
その黒い点達は、現たかと思うと一瞬のうちに消滅して行った。

「あの黒い点、気になるだろう?
キミはなんだと思う?」

「う~ん…」

「ヒントを出そうかね
この実験での成果なんだが、天体には数多く存在してると言われるものだな」

「黒い天体、、
ブラックホールとかですか?」

ボクは殆んど当てずっぽうで言ってみた。

「そう!
ブラックホールは超重力により光すら抜け出せないんだが、
他の次元に作用可能な存在は現在重力のみとされていてね」

まんまと当たってしまった、と言うより当てさせられた感を感じるなぁ。
< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop