弓狩り-ユミガリ-

女子副部長:この物語の主人公


あの二人を相手していた内にあっという間に時間が過ぎてしまった。(勿論あの後は念入りに頬を消毒したけど)


(どうしてうちにはまともな部員が居ないんだろう…)


弓を素引きしながら今更の悩みを口にする。


「蓮先輩、次入って貰っても良いですか?」


後輩である一年生の圭が私を呼びに来た。

圭は中学からの後輩で、私にとっては弟の様な存在。
少し長めな栗色の髪が可愛く、背が低いのを気にしている。

(私的には小さいままが良いんだけどね)


私は弓と矢を持って射場に入った。

矢をつがえて的を見据え、流れるような動作で弓を引く。暫くの沈黙が流れた後、放たれた矢は的に突き刺さった。


「流石蓮、やっぱり凄いな♪」


梓が許したみたいで正座の刑から解放された隼人が梓と立っていた。


「樋山、まだ伸びが甘い…お前なら的心(的の中心)に中てることも簡単だろ」


「いつもながら良く見てるね梓」


弓を置いて向き直ると肩を竦めて答える。




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