無愛な恋人
「ってなわけで、今は一人暮らし真っ最中なんです」

「だったら、やっぱりここに住みなよ〜!」


……まあ、実際貯金も底をつきはじめてるし…。

ここに住んだ方が、安くあがるのかもなぁ。





「もし、ここに住むって言ったら、家賃はただ?」


わたしは期待に満ちた目で、二人を見つめる。

さっきまでの態度とは、180度逆だけど、家賃がただなら…!





「もちろん、ただだ」

「てか、恋人代払っても良いくらいだよ〜〜っ」

「わたし、住みます!!」


……お金になると、弱いんです。



翔と一葉さんの返答に、わたしは即了承した。

よく考えれば、イケメン二人と高級マンションに住めるなら、幸せなことかも!




「お二人とも、太っ腹ですねぇ。お金持ちなんですねぇ〜!」

「「売れっ子だから」」


なぁるほど!






……って!
流されるなわたし!!



「だったら、早く漫画の連載終わらせてくださいね!」

「またおこりんぼ真琴ちゃんに戻ったぁ〜!」


一葉さんの声を聞きながら、こんな二人との暮らしに不安を覚える。





……でも、どこかで楽しみにしているわたしがいて。










複雑な心境を胸に、わたしの共同生活はスタートです……。
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