無愛な恋人
料理=彼氏仕事

「マコちゃぁん」

「……へ?」


この声は、一葉さんだよね?

でも……、マコちゃんって??




「漫画のヒロインの名前、マコちゃんにしたからっ」

「え?!名前まで、わたしなんですかッ!?」


もちろんだよ〜、と一葉さん。

……これじゃ、漫画のヒロインって丸っきりわたしじゃんか。

恥ずかしいような…、
嬉しいような?





「キャラに反映させるために、真琴ちゃんはこれから『マコちゃん』だからねえ」

「ずっと、マコちゃんって呼ぶんですか……」

「翔もだよ〜」



えぇ?!!




「翔もなの?!一葉さんっ」


………。

わたしの言葉には何も返ってこなかった。

一葉さんはわたしの目の前で、笑顔のまま固まってるし。





「…マコちゃん、俺の名前は?」

「何言ってるんですか、一葉さん」


……大丈夫だろうか、この人。





「マコちゃんって、翔だけ呼び捨てなんだね?」

「え?………あ。」


そうだった。
呼び捨てにしてたな…。




「あはっ、翔には裏切られたからねぇ〜……。」

「……マコちゃん」


うっ。
そんな目で見ないで!

ごめんなさい!
わたしが悪かったですよね!!

勝手な理想でしたよねッ!




「ずるぅい!マコちゃん、ずるいよ!!」
< 17 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop