戦場駆け征く
―すぐ目の前に、王がいた。


兵士は一斉に漣犀を見る。いきなり、後列から疾風のごとく現れた騎兵を。


あるものは剣を振りかぶり、あるものは弓を引く。

不思議とそれらは一つも当たらない。

剣は空を切り、矢は頬を掠めるだけ。

猛烈な勢いで駆けているからかも知れない。その証拠に、弓を構えた珪王が、手を伸ばせば届くほどに居た。
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