戦場駆け征く
漣犀は無理矢理に首を前に向け、走り出した。あの豪奢な矢はきっと珪王だ。あの時倒れたのは、邑丁に違いない。


「――珪王ぉぉおお!」



―――戦場で怒るものは、敗者だ。

稽古を始めたとき、春鈴が最初にそう言ったのを覚えている。

戦場で冷静さを失ったものの末路など、たかが知れている。

しかし、どうして。どうして冷静でいられようか。漣犀は、馬の腹を思い切り蹴った。
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