戦場駆け征く
『士官した頃の【戦争を終わらせる】なんて綺麗事、頭に無かった。
ただ、生き残りたい、その一心だった。死にたくない。自分という人間はなんて卑怯で臆病なんだ、と思ったよ―…誰よりも自分が可愛いんだ。程参様が討死する瞬間も目の当たりにした』
震えている。それがどちらの震えなのかは分からなかったが。
『だから、俺の目の前に敵が現れた瞬間は、本当に怖かった』
凶器を持って襲い来る兵。
死ぬか生きるか。その兵の目は、取り憑かれた様だったと言う。
ただ、生き残りたい、その一心だった。死にたくない。自分という人間はなんて卑怯で臆病なんだ、と思ったよ―…誰よりも自分が可愛いんだ。程参様が討死する瞬間も目の当たりにした』
震えている。それがどちらの震えなのかは分からなかったが。
『だから、俺の目の前に敵が現れた瞬間は、本当に怖かった』
凶器を持って襲い来る兵。
死ぬか生きるか。その兵の目は、取り憑かれた様だったと言う。