都会の魔女
家に着くとベランダで、アズラエルが心配そうな顔で待っていた。

「あらアズ、いらっしゃい。
今日は早いのね。」

「いらっしゃいじゃないよ。
今日はお仕事の日だって言うのに・・・」

「そんなに怒らないでよ。
ちゃんと間に合ったじゃない。」

イシュはそう言いながら、ベランダから外をみた。

数十メートル離れた雑居ビルに小さく見える窓明かりの中から
アビーがこちらに向かって手を振っていた。
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