都会の魔女
「それは自業自得でしょ。
私には関係ないわ。

じゃあそろそろ 今夜の満月がてっぺんに昇る頃だし、私帰るわね。」

「そんなあ・・・
お願いだよ。
頼れるのはもう君しかいないんだよ。」

「そんなこと言ったって、涙なんて流す気にもならないし
第一、出し方すら知らないもの。

豆大福ごちそう様。
さようなら。」

そう言ってイシュは立ち上がると入口の方へ歩いた。

「僕は諦めないからね!

君が泣いてくれるまで、君に付きまとっちゃうからね!!」

イシュはアビーの言葉を黙殺して、そのまま事務所を出た。
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