都会の魔女
その甲斐あってか、直人は今や
ちょっとした雑誌でも紹介されるほど、立派な技術者に成長していた。

また技術だけでなく、話術にも長けていたため、
若い子から年配の方までたくさんの顧客が付く、人気ヘアメイクアーティストだった。

そのためお店の運営は、直人でもっていると言っても過言ではなかった。

恵介は、直人にはいずれこの店を任せてもいいと思う程、直人には特別な思い入れがあった。

しかし当の直人は恵介の思いとは裏腹に、この店で働き続ける事に不満を持ち始めていた。

現に今まで、何度か恵介にお店を辞めたいと言った事がある。

恵介は直人を引き留めるために、その度 直人の給料を上げてきた。

今では直人の給料は、同じ年のサラリーマンの平均月給と比べたら、2倍3倍になっていた。
< 247 / 345 >

この作品をシェア

pagetop