都会の魔女
「ごめん。
お母さんにはさっき謝ったから。

仕事帰りに高校時代の友達とその彼女に偶然会ってさ。

そしたら飲みに行こうって誘われたんだ。

あとで電話しようと思ったんだけど
その友達と久し振りに会ったもんだから嬉しくて、つい飲み過ぎちゃって・・・
そしたらすぐに酔いが回ってしまって、全然記憶が無いんだよ。

気が付いたらホテルのベッドで一人で寝てて・・・・」

「え!!
ホテル!?

誰と行ったの?」

「だから記憶が無いんだって。

もしかしたら友達が、酔った僕をホテルまで運んでくれたのかもね。

迷惑かけてないといいんだけど。」

「やだっ、もうお兄ちゃん・・・」

明日香はそんな兄に少し呆れたが、
いつも真面目一本の亮介には、たまには息抜きも必要だったのかも
と思い その時はそんなに深く考えはしなかった。
< 278 / 345 >

この作品をシェア

pagetop