都会の魔女
「残念じゃないわ。」

「え?何が?」

アビーがイシュの顔を覗き込むと、イシュの目からは、大粒の涙がポロポロこぼれ落ちていた。

「イシュ!どうしたんだい?!」

「わからないの。

アズラエルが生きていたってわかったら何だか安心して、嬉しくて・・・

何にもしてないのに、目から水が次から次へとこぼれてくるの。」

「アビー、イシュの涙をもらったら?
早くしないと止まっちゃうかもよ。」

アズラエルが言った。

「いいのかい?」
アビーが聞くと、イシュはコクリとうなずいた。
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